03誰が買ってくれるのか?あなたのお客さまはだれ?

誰がお客さま

 ■ “ いちばん ” 喜んでくれそうなのは誰?

「あなたの商品を “ いちばん ” 喜んでくれそうなのはどのような お客様ですか?」こう尋ねられたら,あなたはどのように答えます か? 陥りがちなのは,「この商品は,誰にでも喜んでもらえる商 品です」という考えです。確かに,誰にでも喜んでもらえる可能性 を持つ商品もあります。

でも,ここで答えて頂きたいのは,その中 でも,“ いちばん ” 先に反応してくれて,“ いちばん ” 喜んでくれそ うな,そんなお客様は誰?という質問の答えなのです。広告宣伝費 を潤沢に使える大企業と異なり,少ない投資(広告宣伝費用)でお 客様を作るためには,あなたの商品を “ いちばん ” 喜んでくれそう なお客様=「ターゲット」を探すことが近道です。

 

■ターゲットの決め方と製品の組み合わせ

参考までに,ターゲットの決め方をいくつか紹介しましょう。図 を見てください。

1は,世の中の全員を対象に自社の商品をアピー ルする考え方です。「わが社の○○コーラは素晴らしいから,皆さ ん買ってね!」という場合が該当します。

2は,世の中の全員を対 象に自社の商品を複数アピールする考え方です。「アイスを 30 種 類用意しました。これだけの品揃えがあるから,わが社のアイスを 買ってね!」という場合が該当します。3は,世の中の全員を一括 りにするのではなく,1 人ひとりの好みを把握し,それぞれに応じ た様々な商品をアピールする,という考え方です。WEB サイトで 商品を購入する時,購入履歴からお勧め商品を提案される場合等が 該当します。1~3のどの場合も世の中に広く知らせるための宣伝 費用や,顧客分析をするための費用が多額に発生することが多く, 資金力のある企業が優位になりがちです。

それでは,4はどうでしょ う?4は,全員を相手にするのではなく,自分の商品を気に入って くれそうなお客様にターゲットを絞り,アピールする方法です。「小 さいサイズ専門の洋服屋さん」「小麦アレルギーの子供を持つママ向けの米粉パン屋さん」などが該当します。

 

■絞ると,届く!

お客様を絞ると,メッセージが届きやすくなります。例えば,人 混みで,「みなさーん!」と呼びかける人がいたら振り返る人は何 人いるでしょう。もしかしたら,全員が他人ごとと思ってしまい, 振り返る人は誰もいないかもしれません。では,もしも「柴田さ ん!」と呼びかける声がしたらどうでしょうか。人ごみにいる柴田 さんの多くは反応するはずです。人は,「自分のことを言っている」 と思う投げかけに対しては反応しやすいのです。

商品を告知する時 も同様です。振り返ってほしい人をできるだけ具体的に絞り込んで イメージし,その方に振り返ってもらえるメッセージ(商品,販売 経路,価格,宣伝方法など)を考える方が,最初のお客様づくりは 容易になります。例えば,庭に水を撒きたいとき,ホースの水圧が 低かったらどうしますか。ホースの口を絞りますよね。お客様への アピールも同様です。ターゲット像を絞ったほうが,「届く」アピー ルをしやすくなるのです。

 

■「絞る」基準のつくり方

では,お客様はどのようにして絞ればよいのでしょうか。代表的な考え方に,いくつかの軸を使って分類する方法があります。軸には次のようなものがあります。 1年齢や性別,職業などの軸 2地域や気候などの軸 3ライフスタイルや価値観などの軸 4購買動機や購買パターンなどの行動の軸 ではこの1~4を使ってターゲット顧客層を具体的に考えてみましょう。例えば,農機具を販売したい場合のターゲットを次のよう に考えてみます。

1フルタイムで働く 30 代後半の女性。2都心のマンションに住み,3休日に自然と親しむことでリフレッシュを図っていて,野菜 やハーブを作ることに関心が高い。4買物は,機能だけでなく,デ ザインや作り手の思いに共感して購入することが多く,買ったもの を見せながら友人と情報交換するのも楽しみの 1 つである。 このように想定すれば,商品の色,大きさ,重さ,デザイン,持 ち運びやすさ,収納しやすさ,ネーミング,話題作りのイベント・ などのアイデアが「畑にいる人全員に買ってほしい」と考えた場合 よりも具体的に浮かんでくるはずです。

■「絞る基準」

作成時の注意点 絞る軸次第で,無数の組み合わせを考えることができますが,結 果としてこの世に存在しないターゲット像を作ってしまっては意味 がありません。「この商品をわかってくれる人は,きっとどこかに いるはずです!」と言っていても,どこかにいるはずの人たちの内, 初めの数十人のお客様は(事業内容によってはもっと大勢),あな たが自力で見つけてくることが必要だからです。

売上確保に有効な組み合わせを作るために,次の条件を満たすこ とも意識しましょう 。

1測定可能性:想定したターゲット像の規模(人数)と購買力が 調査でき,数値化できることです。総務省や民間の統計データを活 用したり,自分たちで調査することで規模を把握できるかどうか, ということです。

2実質性:ターゲット像の規模が,目標とする利益を得られる程 度に大きいことです。ターゲットの人数が予想通りであり購買力が あることがわかれば,目指す利益を得られる可能性がでてきます。

3到達可能性:想定したターゲットにアプローチ(接触)する方 法があることです。存在することがわかっても,自社の商品を伝え る機会がなければ買ってもらうことはできないからです。ただし 方法はあなたのアイデア次第。紹介,口コミ,ホームページ(HP) やブログなどの WEB 販促,地元のメディアが取材したくなるイベ ントや仕掛けなど,様々に工夫を凝らしましょう。

4実行可能性:ターゲット像にアプローチできる力が自社にある こと。例えば HP + facebook の組み合わせが有効だとわかった場合, 社内に HP を作ったり facebook で発信することが好きなスタッフ がいれば,ターゲットへ商品情報を届けやすくなり,売れる可能性 がでてきます。状況によっては,費用をかけても外注するなど,外 部の力を頼って解決する場合もありますが,資金力の少ない起業当 初は,なるべく自分たちの力でできる方法を考えましょう。

 

 

 

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