事業内容が決まったら,それを計画としてきちんとカタチにすることが大切です。ここでは事業計画書について考えてみましょう。

■事業計画とは

この冊子をお読みの皆さんは,きっと新しいビジネスの実現に心 躍らせたり,不安になったりしているに違いありません。事業計画 とは,あなたの心の中のアイデアを事業として実現するために,計 画書という誰にでも見えるカタチにすることです。事業計画書は開 業計画書,創業計画書ともいい,どちらも基本的には同じもので, みなさんの心の中にあるアイデアを実際の「商品」や「サービス」 にし,具体的にビジネスとしてどう展開するかを表すものです。

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■見える化する 3 つの意味

なぜ,事業計画書として,見える形にする必要があるのでしょう か。3 つの視点から考えてみましょう。

(1) 自分のために まず,自分のために行います。アイデアは生まれては消えること を繰り返すもの。形に残さないと,せっかく良いアイデアが生まれ ても,忘れてしまうことがありますね。事業計画書にして自分のア イデアを整理し計画としてまとめておきましょう。こうすることで 自分のアイデアをもとに,さらにアイデアや事業をブラッシュアッ プする礎として活用することができます。 さらに,実際に計画を実行に移すと,計画と現実にはギャップが あることに気がつきます。この時,なぜこのギャップができたのか を考えると,計画に問題があったのか,実行手順に問題があったの か検証することができます。計画は正に実行の羅針盤なのです。

(2) 身近な内部パートナーのために
2 つめは,ご家族や一緒に創業するパートナーに理解してもらう ためです。内部のパートナーに応援されない事業はうまくいきませ ん。事業計画は内部のパートナーと一緒になって事業を進めていくための羅針盤にもなるのです。

(3) 外部協力者のために

3 つめは,融資や出資,取引など行う外部の協力者を得るためで す。金融機関から融資を受けたり,自治体に補助金を申請したり, ベンチャーキャピタル(VC)から出資を受けたり,新しい取引先 を開拓したりなど,その目的に合わせた事業計画書を作成する必要 があります。その出来具合により協力を得られるかが決まります。

 

■事業計画書作成のポイント

次に事業計画書をいくつかのパートに分けて説明していきます。 必要なパートや項目は,次頁の表 1 を参考にして作っていきましょ う。項目ごとのポイントは次の 4 つになります。

(1) 事業コンセプトを明確にする 事業コンセプトとは,あなたの事業が「誰に」,「何を」,「どのよ うに」して価値を提供するのかを明確にすることです。「誰に」と はお客様のことです。「何を」とは事業を明確にすることで,実際 の商品やサービスを作ったり,仕入れたりすることです。そして「ど のように」はその商品やサービスをお客様にどのような仕組みで提供するかです。

(2) ビジネスモデルを示す
ビジネスモデルとは,事業コンセプトをお客様への具体的な価値 提供の基盤とした儲けるための仕組みのことです。1 人で事業を成 功させることは困難を極めます。最近の起業では,1いかに取引先 と協働を行うか,2いかに顧客と価値を共創するかが成功のカギ(KFS)になります。また図 1 のような構成要素をストーリーとし て取り込んでおくことも重要です。

(3) 自分の想いをしっかり なぜあなたは,起業するに至ったのでしょうか。あなたの起業へ の想いは人を動かすときに必要です。そして,この想いが強ければ 強いほど,苦しい時,辛い時を乗り越える役に立ちます。

現在の仕事が上手くいかないから,何か違うことをやりたいからといった,あまり前向きではない理由で起業するのはオススメできません。できる限り前向きで明確な理由ができてから起業するほうが成功の確率は高まるからです。

(4) スケジュールと実施計画
これから事業を進めていくタイムスケジュールと各種の実施計画を記載します。計画には売上計画,資金計画,人員計画等が含まれます。

 

■事業計画の審査ポイント

事業計画を審査するのは,金融機関だったり,補助金の申請先だっ たり英出先によって変わってきます。あらかじめ審査のポイントを 知っておくと,計画書作成時や計画説明の時に役に立つでしょう。

(1) 新規性
新規性とはその事業の新しさです。これは,決して世の中で新し く発明されたものとは限りません。例えばある地域やある業界に とって新しいものでも構いませんし,既存のモノ同士の組み合わせ でできた新しいものや,新しい仕組みでも構いません。

(2) 収益性
その事業は儲かるかということです。ポイントは審査する人に とってもメリットがあるかどうかです。つまり金融機関ならば返済 可能なだけ儲かりますか,VC ならば投資した金額以上に回収でき ますか,ということです。この際,半年や 1 年といった短期の収 益性だけではなく,数十年といった長期の収益性が見込めるかも事 業の継続に関係しますから合わせて検討します。

(3) 実現可能性
その事業を他の誰でもないあなたが本当に実現できるのかということです。これから行う事業に対する経験の有無を確認します。ま
た計画の大きさが適切かどうかといった視点でも検討します。 その他にも時代性・将来性といった,今,そしてこれから必要な事業かどうか,社会性といった社会的に価値があるのかといった点も審査のポイントになります。

 

■事業計画は何度もブラッシュアップ

事業計画は 1 度作って終わりではありません。顧客や取引先の 声を聞きながら,内部のパートナーと,そして外部の協力者や支援 者と,何度も計画を練り直し検討することが重要です。この繰返し を何度も行うことで,事業計画の現実性は高まっていきます。

 

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