13お客さまにリピートしてもらうために〜接客の重要性

接客の重要性

■売れる店と売れない店の違い

お店を始めると,良い商品やサービスなのに思っていたほど売れない,再来店(リピート)してくれるお客様がなかなか増えないと悩む方が多くいます。このような方は,そもそも接客業に向いていない,センスがないのでしょうか。そんなことはありません。お客様の気持ちを動かす「接客のポイント」を理解し,実践していないだけです。接客のやり方を少し変えるだけで,お客様にリピートしていただけるようになり,面白いように「売れる店」になります。

期待値

■商品力と接客力

お店にとって,立地と取扱商品・サービスは非常に重要です。し かし,1 度店をオープンしてしまったら立地が良くないからといっ て簡単に移転することはできません。しかし,商品・サービスは同 じものであっても,接客次第でお客様が感じる商品価値=商品力を 大きく変えることができます。どんなに素晴らしいモノをお客様に 提供していても,接客が悪ければ購買には至りません。逆に,接客 力が髙ければ,商品力以上の大きな価値をお客様に感じてもらうこ とができます。モノを変えずに,そして価格を下げずに,接客の改 善で売上をアップさせることが可能となるのです。

■基本的な接客マナー

では,接客力を向上させるためには何をすればよいのでしょう か。まずは,特別なことをする必要はありません。接客の基本であ る笑顔やアイコンタクト,身だしなみ,態度,言葉遣い,話し方を 見直すことから始めましょう。意外とできていないことに気づくは ずです。例えば,お客様から商品・サービスについて質問された際 に,その説明がどんなに完璧であったとしても,これらの基本がで きていないとお客様は評価してくれません。一方,基本を完璧に身 に付けることで同じ説明であってもお客様の受ける印象は大きく変 わり,説得力は格段に高まります。

■期待値を超えた接客

接客の基本を身に付けることができたら,お客様はあなたのお店 に好印象を抱いてくれます。けれど,それだけでは商品やサービス の購入にまでは至らないことも多いはずです。購入には決め手とな るプラスαの接客力が必要なのです。お客様が何を期待しているか を考え,臨機応変に「期待値を超えた接客」を行うことで,ライバ ル店と差をつけることが可能となります。ただ気をつけなければな らないのは,「自分の店の接客はこれだ」と決めつけてそのスタイ ルをお客様に押しつけないということです。お客様がどのような接 客を期待しているかをその都度察知し,図 1 のように相手の期待 値以上の接客を行うということが重要です。そうすることで,お客 様はあなたの店のファンになり,何度もリピートしてくれるように なります。

 

■接客の 5 つのステップ

では,お客様が商品・サービスの購入に至るまでを接客のステッ プに沿って見ていきましょう。具体的には図 2 のように,1開店前, 2お迎え,3商品・サービスの説明,4クロージング,5お見送り, の 5 つに分けることができます。

(1)開店前
準備段階から接客はすでに始まっています。開店前でもお客様は外から見ており,活き活きとキビキビ働く店員がいる店は「良い店 =今度行ってみたい店」と判別しています。準備中だからといって 油断して商品を雑に扱っていると,お客様の不快を招き,店の印象 を悪くさせてしまいます。

(2)お迎え
第一印象はたった数秒で決まり,お客様に「この店,なんかイヤな感じ」と思われてしまったら二度と来店してもらえません。感じの良い挨拶,好感の持てる表情,安心感を与える身だしなみ,声を かけやすい待機姿勢を心掛け,お客様の心をつかむことが重要です。

(3)商品・サービスの説明
お客様は買いたいモノを明確に決めて来店されるとは限りませ ん。お店で何か良いモノに出会えないかと期待して来店するお客様 もいます。このような方に対しては,商品・サービスについて十分 な知識を持った上で,お客様のニーズに合った提案が求められます。 ニーズを引き出す質問力と,豊富な商品知識に裏打ちされた商品提 案力が不可欠です。

(4)クロージング
クロージングとは,「購入の決断」のことです。3 ステップまで の結果,お客様の購買意欲を満たすことができたら,ようやく購入 となります。購入決断時は「お客様のニーズが満たされる瞬間」で なければなりません。もし,店員に押し売りされたという不快感を 抱いたまま帰られると,二度と来店してもらえなくなってしまいま す。また,商品やサービスによっては,長所だけではなく短所もあ ります。短所を隠したままクロージングしてしまうと,後にそれが 原因で大きなクレームへと発展してしまうことがあります。お客様 に「買って良かった!」と満足していただくために,商品のデメリッ トは,あらかじめ「短所⇒長所」の順にきちんと伝えておきましょう。

(5)お見送り
最後の締めがどうだったかということは,人の心に強い印象を残 し,リピートするかどうかの判断に大きく関わってきます。会計後 のプラスαの声かけは非常に効果的なので,必ず一言つけ加えるよ うにしましょう。具体的には,商品の使用方法やアフターケア,新 商品情報,イベント予告,気配りの声かけなどです。また,何も購 入されなかったお客様に対しても,必ず「ありがとうございまし た」と心を込めて来店への感謝の意を伝えるようにしましょう。お 客様は店を出る時にかけられる言葉を背中で敏感に聞いており,購 入しなくても気持ち良く対応してくれたお店のことをよく覚えてい ます。そして,最後に好印象を残すことができれば,リピートして もらえる可能性はグッと高まるのです。
このように,5 つのステップごとにポイントはさまざまあります が,接客にあたり常に意識したいのは,「そのお客様への接客は 1 度きりのチャンス」ということです。「また来たい」と思ってもら える接客ができてはじめて 2 度目があり,選ばれ続けるお店になっ ていくのです。

■クレームは財産

お客様からのクレームは,店が恐れていることの 1 つです。そ のため,何とか穏便に解決するということばかりに注力しがちです。 しかし,クレームは受けた後こそが重要なのです。クレーム内容や 対応の仕方,改善策を店全体で共有することで,再発を防止するこ とができます。いわば,クレームはお客様の期待の表れであり,店 や商品・サービスを改善するための大切な財産といえます。不満を 感じた方の多くは二度とその店に行きたくないと感じていることか ら,再来店してもらうにはクレームの未然防止が重要だといえます。

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